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短歌工房
水の痕跡
あの日からずっとひとりで生きている あなたのいない時間が過ぎる
何回も書き直した線が綺麗であるわけがない推敲を認めない
カンガルーの赤ちゃん2,5cm体重 1g! 私の猫が目を瞠る画面
変換が利かないキーで打っている 羅馬字入力事始哉
島民が帰った村は神が待ち墓が位牌が待つ埜古呂島

「北海道が舞台になってる本ない?」文庫一冊旅行鞄に
ヘラヤガラ、黄色い竜の胤し子(に似たもの)が珊瑚の林泳いでいます
いろいろなことどうしたらいいかわからない軒先に降る雨の雫よ
瀕死なのは海か私か まやかしでさえありえない今日
黄金の油凪ではありえない 瀕死の海の穏やかな顔

完璧に停止している何もかも この苛々はそのせいなのだ
タイタン 雨を降らせる海があり風を起こして飛ぶ宙がある 
ホイヘンス降下してゆく風の音 地球に届く風の産声
退屈な木曜日です午後三時 孔雀時計は宮廷で鳴る
蜃気楼はるかに見えて春の海 海の真青を求めていたり

明らかになればなるほど実体は淋しいばかりの夕暮である
ネットにはネットの歌人がいるという 街の烏とお山の烏
牡蠣舟の残骸のこす財田川 三架橋から見る冬の川
しんとして雪降るような曇り空 薄柔らかな衛星タイタン
北限の猿は追われていたりけり 青森、下北半島脇野沢村の猿

野火止の朝靄のなか泳ぐ鴨 鴨が川面をたたく水音
湧水も小径もすでに消え絶えて蝶の行方もまた靄の中
村人は何処の森の 銀色の茸も普通の茸も消える
銀色の茸のありて愉しめど洞窟すでに彼を生やさず
荒廃はなお魂に及ぶから タイタン画像の水の痕跡

意味もない不安なのかも漣がひたひたと今砂地を洗う
再びは帰らぬ海の丸木舟 月の小舟は雲の間に消ゆ
原人はどこへ行ったか洞窟に描かれているのは唯未知の鳥
石積みの隙間を水と草が被いやがては水と草だけになる
大いなる樹があり樹には魂が春の日向を流れるように

「始まりは鳥が運んだ一粒の種」であったとナレーションに言う
人混みの人をカウントする人の手に集って統計その2
駅前の舗道に置かれたポックスにアンケート用紙が回収される
GODZILLAなお地球のどこか海底の火口湖にその卵を産みつけ
怪獣の足が通って行きました富士五湖でしょうかあの湖は
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