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短歌工房
水際の月
ふるさとの涅槃の仏微笑んで樹木のように眠る千年
朝焼けの海に帆船浮かばせて 風が運んでくる森の声
家鴨、鴨、猫も数匹 街路でも庭でも女たちが織る布
荷駄のように運ばれてゆく 河舟で むかし都と呼ばれた町へ
楼門に草を生やして石窟の毘盧遮那仏の崩壊進む

平原を列車が走る 平行し蛇行し河は水は流れる
何もかも関係していてあかねさす総量規制解除も間近
システムの欠陥、強度不足など雪降る冬の日本海溝
新しい畑に百合を植え替える 病原菌を絶つためという
真剣で真摯であればあるほどに闇の深さも増しゆくばかり

「男たちの大和」なんていう映画その製作意図のいかがわしさ
雪が降る森の川岸 巣の中の生後三日の雛の灰色
縄張りを主張している徴という赤い鶏冠の際立つ一羽
和歌にある姉歯の松のみちのくの枕詞の悲しくもあるか
ニュースになったその理由も出身地も違うけれど珍しい名前ではある

四ヶ所、阿○○、姉歯という今週のニュースの中の珍しい名前
犯意ある契約ならば無効では? 契約以前の姿に戻せば?
一ヶ月何も食べずに息絶える蛸の母親、蛸の産卵
吉兆という農鳥を見る富士の 麓の町の御師の宿坊
鵜祭りの鵜様が台の上にのぼり来る年は豊年約束される

「草の根を分けても犯人探し出す」捜査一課課長の会見 
湖に一艘の舟浮かんでいて 薄紫の朝靄の中
<性格が運命を決める>とコンスタン 怠け者には怠け者の運命
猫の目が深い碧に耀いて温度差のある冬の一日
深海の底にも森も丘もあり光りを放つ洞窟もある

完結に向かって歩き始めたらもう引き返すことはできない
《ここでメッセージを送信しますか はい いいえ》 下弦の月に別れを告げる
WEBの果てを旅して遠ざかる薄紫に光る物体
温かい声で再会約束し遠い旅へと旅立った人
氷山を眠らせながら漂って 遠い夢から醒めて砕けて

夢色の帽子を被った道化師が手招きをする 三角鬼か
落葉には夕日の色や風の色 氷雨の匂い 虫食いの痕
その椅子は花梨の椅子か枇杷の木を植えた海見る小さな庭の
システムに異常ありという冬の日に半月昇る 水際の月
どこかから歌が遠くから歌が近づいて消えるどこかから歌が
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寒がりのパンダはいない? 鶯が呼ぶまで岩穴暮らしのパンダ
パンダななぜ竹を食べるの 竹だけを食べて何年生きたのでしょう
明日また病院 三つ先の駅の駅前の病院 それでも寒い
プログラム作成したのは誰なのか迷宮の闇深まる夕べ
「プログラムに問題あり」と藤田氏が語ってすべて当て嵌まる謂い

枸杞の実は愛の妙薬ではなくて不老不死なる薬膳の友
鶏ガラのスープで煮込む老酒で五彩の変化愉しみながら
薔薇色の人生のため薔薇は散り薔薇は薔薇の実のこして行った
私はもう壊れている潰れている それでも多分生きてはゆくよ
幸福を追求すれば幸福は遠ざかってゆく 雲が崩れる

原作は野坂昭如だったらしい 道理で鋭い映画であった
ナレーションその一勤める渥美清 時代を風刺する田阪具隆
渥美清、小沢昭一、三木のり平 東宝喜劇人の出演
「スクラップ集団」という映画らしい不思議な映画を作っていたね
象牙など取り出している業者いて昔の東宝映画であった

つまりまぁやっぱり死んでいるんですね なんと解体されてゆく象
この象はただ寝ているの死んでるの 巨石のように動かない象
水色のコンチェルト弾く韓流のピアニストいてBS5
傷ついてしまったんだねあの人は 日暮れの空の白い月影
雪降れば雪の精霊 風吹けば風の精霊 祝祭の夜

手紙には童話の挿絵が描かれていて赤い蝋燭、金の燭台
折り紙で作ったベルやキャンドルやトナカイなどもあって休日
雪降れば雪の精霊 風吹けば風の精霊 祝祭の夜
手紙には童話の挿絵が描かれていて赤い蝋燭、金の燭台
日なたには真っ赤な辛子、唐辛子 クリスマスには飾りになって

つつましく暮らす他なしつつましく暮らす幸せなどもあるらむ
小春日和の今日は何して暮らそうか 明日から寒くなるという今日
「三丁目の夕日」の世界にあったもの マンションはなく長屋があった
空洞に風が吹き込む 空洞の闇は膨らむ 膨らんだ影
私という名の絶望が書いている 落葉のマントに隠れる蝦蟇

退屈な第二楽章、曇り日の窓の向こうに落ちた太陽
貧すれば鈍するという然り然り 私の上にある冬の空
青狐、子連れの狐、絶海の孤島に棲んで万世一系
猫だって夢を見るからフクロウも夢見るだろう真昼の森で
夢を見る猫がいるってぽっぽさんの日記で読んで猫を見ている
武者絵の
最悪の体調、明日からの不安 生きてどこまで無事でいられる
美しくやさしく年をかさねゆく冬夕ぐれの中の廃村
ゆっくりと麻酔が切れて痛み出す 鎮痛剤の名はロキソ二ン
山に雪、水辺に薔薇の咲くからに冬を愛する黒鶫あり
風でした海を渡っていったのは 主従八十余騎の武者絵の

見えていたのは小島です木々の向こうの海の向こうの
五階建てみたいな楽譜亡くなった菅野さんちで見かけた楽譜
どの歌もつまらないなと思うとき私の中の愛は空っぽ
人間はこうも年とるものなのかポール・マッカートニーが微笑む写真
少しずつブログを畳んでゆきましょうパタリパタリと屏風を畳む

夜は雪 冬晴れののち曇る空 日本上空に寒気団来て
緊張とドキドキのなか冬の日は白い魔物も引き連れてくる
明後日手術日 嗚呼嗚呼嗚呼 烏が啼いてその日が来ます
「誰か代わりに生きてくれ私がうたた寝をしている間」贋作オブローモフ
そう言って連れて行かれたんだよ戦争に〈我より大事な我等〉のために

かつてそう言って死んでいった人たちがいたよね《お国のために》
(<愛する人や愛する国を守るため命を捧げ奉らん>と)
危険には二種類あって一方の危険性には硝煙匂う
われよりも大切なわれらあるという 六十年を過ぎて巡る日
純粋な思いゆえなお為政者に利用もされて死なしめし学徒
美しい言葉は酔わす遠つ国の賢き御世の賢き人よ

街に降り人に降る雨 鳥ゆきてゆきて悲しむ空の果てより
蕭条と雨降り雨の日の川を流れる桜、櫟の落葉
弟を喪くし子どもを喪くし中也が歌う空の悲しみ
幼い日 瞳に映る青空を曇らせる雲 誰に罪ありて
人知れず自分も知らずに侵す罪 「私の罪」と言って人逝く

夜明け前、黎明の時過ぎてゆく 2007年世界が変わる
一本の線はよれよれ捩じられて捩じり切られてゆくのであろう
生きてゆくことが不得手で不得意で亀の甲羅は乾くばかりで
人生の奴隷になっていないかしら この頃雨の音を聴かない
桜咲く 小春日和のかえり花 大きな猫の眠る日だまり

あの時も真っ暗だったそういえば明日の夢も何も無かった
日々は明け日々は暮れゆく大公孫樹2005年の銀杏零す
新月の一日前の月かかる 薄紫の夜明けの空に
弱者から弱者へ連鎖してゆけば罪は上流にあるとも思う
栃木県、常陸大宮市の遺体、下校途中で殺された子の
秋燦々
生きてゆくことが不得手で不得意で亀の甲羅は乾くばかりで
人生の奴隷になっていないかしら この頃雨の音を聴かない
あの時も真っ暗だったそういえば明日の夢も何も無かった
日々は明け日々は暮れゆく大公孫樹2005年の銀杏零す
新月の一日前の月かかる 薄紫の夜明けの空に

桜咲く 小春日和のかえり花 大きな猫の眠る日だまり
炭筏、あれはいいねぇ、炭並べ湖水浄化を図る計画
睡蓮もいいけど睡蓮を浮かべた池の水や水の中の雲
煮付けって言えば鰈の煮付けかなエンガワのあの膠質の美味
中空に炎となって舞うギエム 速水御舟の〈炎舞〉にも似て

公演の最後は島根 出雲の国 阿国の国のギエムのボレロ
幽明の境彷徨うかのように明かりに浮かび暗きに沈み
人間が人間を超えることがある その一瞬を視ることもある
歳月は無残なるかな 歳月を味方に為してシルヴィ・ギエム
明日からはBプログラム秋燦々 シルヴィ・ギエム最後の〈ボレロ〉

ちょっとした手術 で死んだりもする そんなこともある 冬の朝ですね
「座頭の木」・・・第何回目なんだろう市原悦子と常田富士男と
貧しくても生きられる方法はない?権兵衛の昔話が始まっていた
(広大なサハラ砂漠の端ニジェールでは数万人の瀕死の子供達が救援の・・・・・)
北風と太陽ならば太陽のような昨日の優勝コメント
水色の万年筆の筆跡の高瀬一誌と記した太さ

火達磨になって狂って病んで書く 春のうつつに見ざりしものを
悲しいがまだコトノハは忘れないテニヲハ少し怪しくなるも
また聴くよ1986年のマリリン、ミス・サイゴンのキム 本田美奈子さんにさよなら
その他に紙で作った人形も 雛人形に似た人型の
お土産を郵送されておりました夢のまにまに木彫りの熊を

鬱蒼と樹木は茂り雨粒が羊歯の葉陰に溜まっていった
埋めなければ危険だからとも思っていたせめて子供が落ちないようにと
深い井戸、洞窟がある夢を見た 水を湛えた洞窟の森
せめてあと10年せめてあと5年命をあげたい欲しい命が
11.11の丸の内 冬が来たのね帽子を被り

岩棚に枯れ木枯れ枝、草の束 遠く巣立って帰らざる巣の
鷹と鷹たたかう画像 草原に降る雨と霧 霧の草原
死の序章奏でて冬の雲流れ冷たい雨が降り出す予告  
虚しさはかぎりなきかな冬空に取り残された鳥の巣一つ
烏羽玉のドン・ヴィト・コルレオーネ眠りける <老女の夏>と呼ばれる小春
それは雨音
「あしたに死し、ゆふべに生るるならひ~」などと語るも無常を言うも
「あだし野の露消ゆるときなく鳥部山の煙~」などと言っても詮なきを ただひたすらの
栗、胡桃、渋柿、百目、酸漿の色に染まった夕日の里の
永遠の安らぎとして死があって 死を永遠の友としている
黄色くて斑点のある物体は春の轍に轢かれた蛙

生きている虚しさよりも貝よりも静かに波に触れる儚さ
少し前まで誰かを愛していたような真っ赤に炎えている七竈
早く早く死にたい私であるのかもこの後の生を思えば思えば桜
超人の孫か曾孫のようなその小さな脳に宿れる嗜虐
抑えるということがどんなに大事かと『シービスケット』を観ていて思う

増税と九条廃棄決まる日の黄昏どきの赤い惑星
私は破綻している何一つ出来ないままで終わってしまう
いつとなく綻びは来てやがて知る縫い目に沿って裂ける傷口
狙撃兵一人立ちゐて 嗚呼とうとう「ゐ」なんて書かせて死亡宣告
それは風、それは雨音 夕焼けが綺麗であったことなども夢

地震あり僅かに揺れている気配 獣の通り道が見えてくる
秋の声が聞こえるような気がします 透き通る青 晩秋の空
終末に向かって歩む 終末はあっけなく来てあなたは終わる
あれは鷺 白い烏じゃありません 六羽の鷺が止まる電柱
絶望はどこからやってくると思う 今朝見た鷺は烏に似ていた

銅版の腐食をいつか愉しんで 紙片に写す頭蓋の形
この身体一つ失くせば新しい世界が視える夜明け前にも
精神の<禁治産者>があるならば100%私のこと
慎ましい祈りのような暮らしには殆ど適さぬことも思われ
深く深く深く絶望して終わる そういう時が来ているのかも

「いつどこで何が起きてもおかしくない」そう言いながら信じていない
一年が経っても何も変らない 忘れ去られていたその時間
(陽光台仮設住宅、山古志の被災住民なお九千人)
山あいの無人の駅に下り立って芒、萱原ざわめくを聞く
この先はどこへ行くかもわからない列車に乗って見るような月
田沢湖は龍伝説の湖で湖の岸には一匹の雉猫がいた

環状遺跡の意味を思うまもなくブナの輝く広葉樹林へ
特急と言っても二両だったりする 能代、大館、十\\\和田南へ
と、これはその前。放牧の馬がゆっくり近づいて関口さんの鼻を舐めていた。
八戸から野辺地へローカル線の旅 放牧された馬の歩く道
NHKの番組に付いていってみる。→まずは東北地方から。青森発特急電車
詩曲
日ごと死は近づいていて一心に後生の大事せよと古典は
なんて簡単に言う私を怒るだろうか叔母は 綺麗な骨だった
人は去り人は私の中に入る 私の悲に変わる人の悲
真言の経のみ聞いていたけれど浄土信ずる経もまた良き
蓮如の悲、人を癒さん 空海の一人即身成仏したるその後

音楽のように一音ずつのばし僧が経よむとき起こる風
一陣の風吹き入りて黒蜻蛉二つ連なりともに来たれり
遍き苦その身を離れ浄らかな鏡のような世界に入るか
白骨の書に言う「後生の一大事」徒然草にもあったと思う
この世にはこの世の鬱があるようにあの世の鬱もあるのだろうか

言いようのないさびしさが襲うのも普通のことで今日のさびしさ
根っからの薄情者であるといえいったいどうしたのだろうか私は 
私には不思議に何の悲しみも湧いてこなくてそれがわからない
柩には入れてもらった?大切に大切に生き守った何か
もうこれで○家の戦前を知る者がみんな途絶えてしまいましたね

満月の夜にあなたもあなたの妹もこの世を離れて行った神無月
林檎には林檎の果汁 熟れ乾き熟れ滴って一つの林檎
雨雨雨雨雨雨雨 大地に海に降りしきり 流されてゆく昨日の世界
遠い死が私を呼び 明日さえも知らない夜の蟋蟀がいる
貧困を直撃したという嵐 貧しさという低湿地帯

鰐を見た幌馬車を見た 災害時、大地は元の姿に帰る
完璧に打ちのめされてゆくことも まだこの後の私の生
暖炉には薪がくべられ丸ごとのチキンこんがり狐の色に
窓辺には陽を好む花ゼラニウム 今が一番幸せという
脱皮する蛇の営み待ちながらターシャの庭の歳月めぐる

働かず寄生しているヤドカリが宿を失くせば浮遊する雲
ニートと言いヒッピーと言う明治には高等遊民などとも言って
七転び八起きの八が来ないからショーソン作曲「詩曲」の中へ
火の一族と土の一族の隔たりか 燃え上がる火よ木を焼き尽せ
白い蛾と瑠璃色の蝶ゆっくりとピンで刺されて標本となる

心臓が破れるほどに痛かった 小狡さに似た針に刺される
白い蛾が浮かんでいたよ水盤に 睡蓮鉢の隅っこに寄り
緩慢な自殺を遂げているように春夏が過ぎ秋冬が逝く
白鳥が視界をよぎっていったという皇居のお堀を見る窓の中
どことなくいつとなく暗い顔 生きる力を問われているか

藪甘草
お終いは突然に来てレクイエム奏でるように蜩も鳴く
限りなく膨れ上がった政権党 破裂するまで膨らんでゆけ
いっぱいに儚い夢を詰め込んで膨らみ続ける蛙のお腹
邪魔っけな尻尾を切っただけのこと火蜥蜴ならば再生もする
その視線遮るための遮蔽幕 絽か紗くらいに透けてはいるが

血を吐いて死んだらしくて泥のなか黒い部分が少し残って
日本にも吹いたらしいねハリケーン 水浸しだし泥まみれだよ
生きてゆくべき場所がない生きられる空間がない覇王の日本
アナーキーとは如何なるものか 2005年の秋の夕映え
終わる前は燃え盛るもの 蝋燭の炎が燃えて終わった宴

半地下に水が入って水浸し 隠れ家としての役目が終る
ここでもうお終いですというように春の日向の夢見るように
特別のことは何もなく終わる命をまた見てしまう
こうなったのはあっという間の出来事だったと青いテントの男
降水は心に及び雫して行方不明の安穏がある

何もかも良くはならないような気がして絶望してしまう
虹よりも虹に似ている水溜り一杯に今広がる油膜
常夜灯一つともして幕は下り舞台に残る一枚の羽根
悲しみを忘れるという花言葉 薮甘草の朱に埋もれる
小平の中島町の薬草園 桔梗、甘草、花咲く明かり

休止するジャングル化した野草園 秋の七草月に供えて
『浮雲』の森雅之の魅力とは黙って愚痴を聞いている男
硝煙の匂いはしない1970年代戦争は海の彼方で広がっていた
「朝日の当たる家」という歌があり星条旗に包まれた大統領がいた
その壁を覆うタペストリーの絵の貝殻で描く海底の青

汚されたような気がして嫌になる 死が開くという季節の初め
一つ終り一つ始まる 禿鷹が狙い定めるサバンナがある
『砂の器』菅野光亮作曲の「宿命」のテーマと加藤嘉と
うっすらと薄日も射してみたりする「断続的な雨」の合間に
多摩南部大雨洪水注意報、警報に変わるころ終演か

殆どもう直撃コース 白鳥は多分ずぶ濡れの白鳥である
誰が悪かったっていうよりもつまりはみんなで歩いた道だ
竹杭や石など積んで堰きとめて簗を作って捕る山の魚
死ぬことを考えるのはまだ早い 驟雨が過ぎて会う夏燕
栗よりも大きな栗に似た木の実 西洋とちの木マロニエの道
虹の飛瀑
右目だけ開けて見ている世界にも虹の飛瀑は溢れて消えて
夏のすべての日曜日 花火を見るよ 今宵満月
しんしんと寿命が尽きてゆくようなそんな気がして見る夜の月
打ち寄せる水の青さに染まりゆく小さな村は浦島の村
水のない讃岐の国の水のない村であったか花崗岩の台地

鉄筋の庁舎、橋げた、墓地の跡 ここに暮らした人々の気配
貯水率0になったという高知県早明浦ダムのひび割れた湖底
四国路を遍路の道を海沿いの町をたどって会う夕茜
素九鬼子という作家がいたが『旅の重さ』は変わらないかも
アルルには円形闘技場がありゴッホも見たかもしれない羅馬

『鞄を持った女』の中の長い発車ベル、雨音、汽車が去って行く音
ジャック・ぺランも出ていたねニュー・シネマ・パラダイスのあの人が
モノトーンの画面の中に青空が一瞬見えた気がする波も
その向こうに海が見えているカルディナーレの笑う向こうに
何もかもと言って誤魔化す他はなくこの憂鬱のほんとうの理由

不安というのに顔があるのならムンクじゃなくてそのどんな顔?
硝煙の匂いはしない1970年代戦争は海の彼方で広がっていた
「朝日の当たる家」という歌があり星条旗に包まれた大統領がいた
蝙蝠は豚に似ている何となく薄桃色の貌をしている
草食の象、バッファロー、雌ライオン 画面の中の水の紋章

早起きのキリンに続いて縞馬が水場の水にこうべをつける
後ろ肢、前肢、忙しく蹴って川底近く逃げてゆく河馬
半眼をひらいて河馬が眠ってる 小さな耳の河馬の母と子
行くべきは悲しむべきはひともとの花もよるべもなき夏の道
呼びかけたい夏の白雲、白い鳥 過ぎ去ってゆく短い時間

真桑瓜、蔓を離れて独り立ち 瓜の奈良漬け食べたい盛夏
なんとなく窒息しそうなその感じ解らなくもなく解りすぎるかも
まだ未定 何にも入力していない 機銃掃射もされてはいない
今朝は雨 小雨降る朝 尾道の造船所跡のセットが煙る
枇杷の木の根方に蝉の屍骸埋め 海見る海は薔薇色の海

草も木も眠り眠れず鳥獣も眠り眠れず銀河の真砂 
海の見える家 その描線の青と白 水平線に消える帆船
校門は遥か遠くて高くって 地獄坂って呼ばれた坂道
みんみんが猶鳴き交わし鳴き尽くし 海に降る雨見る夏の駅
春蝉の骸うずめて枇杷の木は 坂道に立つ海の見える家
別の名は沙羅
怒りって多くの場合どこに向けていいかわからない怒り
ガリレオが?織田信長が何ですと? 耳が遠くて聴こえませんが
ほんとうはいったい何がしたかった 南瓜くりぬきロウソク燈す
理不尽と何かを思う理不尽の震源地にして流刑地の杉
月光の川を流れて笹舟のきららきらきら光りを弾く 

人さまの言葉を借りて書く日記 天気予報では今日は大雨 
借り物の言葉でお茶を濁したりお茶を濁すとは何かと問うたり
隻眼の猫の名前は六郎太 黒猫、黒田六郎太と聞く
春の夜の夢はまぼろし隻眼の豹のまなざし遥か遥かの
このままで死んでしまえはむなしいねカランコロンと夏の坂道

1516年レオナルド・ダヴィンチが来るフランソワの部屋
エアコンの効いた涼しい部屋で思う想像だけのヒロシマの夏
などと書いている私がいるのは2005年夏の東京
去ってゆく投下飛行機 その下に焼け爛れ燃え尽くす市街地
エノラゲイ空に現れ一瞬ののちの広島 焼きついた影

日常はそんなときにも日常であったであろう投下直前
燕来て燕去る夏 原爆が投下された日の広島の空
船に影、白壁に影、道に影 杉玉吊るす酒造家の軒
豊漁のニュース漁協の建物に夕日さす頃夕日の入り江
家良漁港 海を見るとき海に虹 背黒鰯の跳ねる突堤

局地的豪雨が降ると言っている炎暑さなかの日本列島
耳下腺がまた腫れている 夏空の下に蝉の死屍累々
その前に日本人は。。世界の人に先だって忘れるヒロシマ
まだ生きていますけれども生きてないそんな気がするかなかなが啼く
時に霧、時に野分の立つところ東京の果て日の入るところ

暗い暗い暗い私がここにいて 午前零時の川が流れて
ここにだけまだ少しだけ夏椿 別の名を沙羅 沙羅の片枝
お終いになるかもしれないもうここで絶滅危惧種絶滅に至り
鯨骨の穴を棲家とする老婆 指なき海の神よセドナよ
惑星の名前はセドナ 極寒の凍れる星の海の女王

憂鬱は深くしずかに潜行し木に咲く花のように身を裂く
雷は時速40キロで移動する 浮き輪が浮かんでいる夏の海
人体を伝って落ちて張り裂けて右から左へ抜けた魂
エリートは弱いものだと言われている 一日にして終わる一生
遠く聞く 夏の祭りの笛太鼓  子ども神輿も笹括り付け
狐の曾孫
また眩暈 地震が多いとき起こる眩暈であれば私は鯰
さくさくと茄子を刻んで瓜切って夕日沈めば厨の灯り

開かれてあるこそよけれ開かれて川に流して水に晒して
結局のところ東大、東工大 院卒だったりして長谷川君
太陽系十番目の星発見のニュースに並ぶシャトルの傷痕
謎めいた言の葉、落穂、露の色 生きていることだけ確かめる
魂にもかき氷など欲しい夏 よしず、風鈴、夕顔の白

遠く聞く 夏の祭りの笛太鼓  子ども神輿も笹括り付け
わけもなく悲しい気分になるという旅立つ人の行き先は遠野
青空に雲一つないさみしさを 液晶画面に消えた鳥影
擁壁を崩す猪 猪は百合の根っこを食べに来ている
その年もとりわけ暑い夏と聞く芥川龍之介のいた昭和二年の夏

河童忌も過ぎて東京下町の本所の水は夕暮れの水
これがもう最後の宴だったならワルキュール・ワルロー真夏の祭り
人間はみんな血みどろ 朝焼けの海に浮かんで漂うカモメ
薔薇色の波紋がゆっくりひろがって湖を満たせば湖は薔薇色
宿命のように絡んだ糸と糸 蜘蛛は解析しながら描く

這い登り這い上がりくる蔦蔓、滅びるものは滅びに任せよ
蟻地獄というならこれも蟻地獄 擁壁工事必要という
東尾根、古屋敷、海斗、八幡平 小塚様には狐の曾孫
我が家にも大型地震が発生しこの問題は相談も出来ず
台風も日本に向けて北上中 梅雨明け以来波乱の様相

エジプトの死者もだんだん増えてゆくカイロの薔薇は血に染まる薔薇
向日葵は向日葵畑に自生して音楽の波広がるように
「だめでした」「治りません」「思うようになりません」銀河に続く深夜のmail
燃える火のようなカンナと消火栓 夏が烈しくそこに来ている
揺れました震度5弱の地震です 黄色い望の月を見ました
空の濁音
もう誰とも何とも関係したくない そういうわけにも参りませぬと
満月が南の空に中天に 燕の雛の眠る軒の巣
幽かなる光りの糸を吐きながら蜘蛛が紡いでゆくいのちあり
曇り空 葦の陰から見守れば雨が降るよと遠田の蛙
偶然の積み重ねにしか過ぎなくて秋咲く花のまだ固き種

ほんとうにしなければならないことを置き忘れ たまさか今日をやり過ごすただ
「あぁ悲しい何だか悲しいとてもとてもとても」 鵯よりもお喋りな伯母
厄除けの団扇を買ってきておくれ 烏小天狗、魔除けの団扇
杏咲き桜が咲いて日本の農村地帯に似る村の墓地
カジャールという小さな村に眠る人 サガンの白いただ白い墓

許されたとは思わずに思えずに再び夏の光のさ中
生きている甲斐なく生きて砂浜に打ち上げられたきらめく鰯
水揚げをされたホッケの開いた口 渚に上がるカタクチイワシ
知床の自然をカメラが写していて海の底から伝えるいのち
移動する海老や蟹にも手足あり 手足なければ泳げたものを

疲れきって頭の中が空っぽだ 鳥が羽ばたく 空の濁音
封印を解いてあなたは何思う 何一つない明日のために
どことなく不機嫌そうな猫の場合最後の最後まで牢名主っぽく
娘から借りてきましたどことなく不機嫌そうな猫の写真を
緋縅の鎧冑に金色の太刀持つ人の漆黒の船

黒塗りのただ一艘の盲船 竜神祀り天翔ける船
暁の村上水軍、八幡船 霧の中より黒塗りの船
海賊と言っても海賊大名の九鬼様もいた中世の海
擬態する 空中静止する葉っぱ 楡の若葉にさみどりの葉に
熊野沖、船が炎上しています 九鬼水軍の海だった海

1ミリもなくて生まれる団子虫 枯葉の寝床に雨待ちながら
「なせばなるなるようになるケセラセラ」百歳の人笑って言えり
永遠がただ一本の樹となって吹雪く花びら散らす夕ぐれ
古典と言い伝統という様式の劇性露わにしてほとばしる
それゆえに今日のひと日の明るさと陽の耀きとひとときの燦

命炎え心炎やしてやがて死ぬ 例外もなく消えゆくあかり
この後の悲喜にどうして堪えてゆく靄と霞と霧の差ほどの
近づいてみれば空洞だったから ただびゅうびゅうと風の音して
この場合夢をあきらめたわけでもなく夢すらなぜか胡散臭くて
夕日には夕日の事情ありまして 雲に隠れる日もありまして
海馬
さらになお闘う人の眼も視える かつて歌いし「地球(てら)を蹴る」歌
来週の二十四日は河童忌で芥川龍之介が命絶った日
何事も変わらぬままに変わりゆく日々に疲れて散る沙羅の花
夏の花、沙羅のみずえに花咲けば 自死を果たした人の眼も見ゆ
消防士そのものに似た消火栓 黄色いカンナが囲む工場

退屈という名の至福あるように弛緩している七月の蝶
幾度目の夏がめぐって乱れ雲 あとどれくらい生きていられる?
雪降れば雪、風吹けば風 最後の日にも雲雀は揚がる
また今日もすすき、刈萱、萩、桔梗 音韻として生まれる生は
幕開きの桜吹雪と鏡面のほかには船の率い出される

なんという長い退屈 絢爛な退屈として「十二夜」がある
その穴子背びれ胸びれ削ぎゆけば 身をくうるりと反らせる稚さ
船端に潮満ちくれば牡蠣舟の牡蠣の生簀にめざめる小海老
母さんに抱きついている小猿にもやがて生存競争の刻
その人の瞳の中を落ちてゆく夏降る雪に似てえごの花

えごの木の花降りやまぬ夕つ方 彼岸の風もここ過ぎながら
山の辺のなんじゃもんじゃの花降れば木下闇の夕べの明かり
雨降れば雨の三鷹の禅林寺 あの頃はまだ小堀杏奴も
今日七月九日三鷹禅林寺 森林太郎の墓に雨降る
雪の朝、隣家があるということに気づいた 1年が過ぎていた

王国の王の選任補佐官の支配被支配拡大の域
死の淵をさまよっている魂が 月みれば月に花みれば花に
微笑みを湛えた画家のキャンバスに雨の朝に生まれた蕾
今朝の雨 夜通し降ると言っていたあの雨だろう 文月の雨
スイングをしながら歌うその人の声が掠れてきたのを知った

蜂蜜のようにとろりと金色の夢を蒐めて海馬は眠る
雨の日に蝸牛這い枝を這い 黒鍵の音弄るらしき
「天邪鬼」それは私だ 炎え上がる不動の像の下の石塊
ドラゴンの口から水が溢れ出る 龍頭の滝と呼ばれる蛇口
明日は雨 傘のマークが並んでる 龍伝説の池に雨降る

一本の木になったとき一本の木は汲み上げる水の百年
紫陽花の小径を通り涼しげな蹲に浮く睡蓮二つ
隠れ家のような小さなパン屋さん 学園通りの裏道に入る
1500万ヒットだそうだ勝谷誠彦氏「イラク3馬鹿」等とまだ書き
さびしさの理由は☆がいないこと雨が巣立ちを促している
雨の光り
ほんとうは今日は私は何をしたく何をしたくなかったのか懼れる
ただ踊る踊るに任せ褒めもせず叱りもせずに育てるという
黒翁の面を被った子供舞 神楽を舞えば神楽の心
旋回し眩暈している中枢の薔薇星雲の無限混濁
梔子の色鮮やかに純白に やがて汚れる花ゆえの白

採取され攪拌された血液は夏の真昼を眠っているか
限りなく胃を傷めながら胃はこのままでもいいのかと問う
目の錯覚かと思ったら向こうで扇風機が回っていた
破竹茹で蕗茹で雨の日の無聊 雨には雨の光りあること
六月も今日で終りという朝 花も蝸牛も聴く雨の音

サングリア ジュリエッタにはこの酒を F・フェリーニ注ぐ美酒
お終いになるまで少しある時間 木は空洞に音を楽しむ
苦しくてならぬと傾いでゆく身体 大王松の一生終わる
絶望に傾いてゆくこの町の送電線にカラスがとまる
碾き臼を引くとき驢馬は何思う 窓を持たない小屋と碾き臼

身を窶し心を隠す夜叉鬼が夜の神楽の男となりぬ
その中に現人神であった人 万歳三唱されていた人
歴史という一つの言葉に括られて大方の人、罪免れて
何ゆえに沖縄であり何ゆえに本土ならざる上陸だったか
贖罪と義務の思いは天皇と皇后をして彼の地の海へ

水無月の「傾く」歌会・「褻」の歌会 言霊というものの怖さよ
映像に映る飛行機、人骨をよぎって泳ぐ綺麗な魚
帰りゆく時の流れのその果てにバンザイ・クリフという奇妙な名
万歳と天皇陛下万歳と身を投げた海 バンザイクリフ
ただ青くただ美しく見えるだけサイパン島の今日の映像

赤ひげのような先生いる町の診療室の二十四時間
金色の海に浮かんだ島影が遠くなるまで夢になるまで
石段の上にも下にも湯煙が 滾る地底の水底の青
やがてこの夕闇の中に消え或いは溶けてしまう群青
紫陽花に雨、茗荷に雨、暑さが嫌いな私にも雨 でも昼頃には上がるらしい

山の実が熟れてあなたを迎えます もう夏の日の風をまとって
瑠璃色の帽子の中の木苺のオリーブ色の光りの泉 
木苺の熟れた粒々太陽と山の恵みの甘さ酸っぱさ 
永住を放棄したわけじゃない 蜜蜂が移動を開始しはじめだけ
最悪の結果を招いた経過ならその過去ログが保存している
鸚鵡のように
こんにちは おはよう おはよう こんにちは 鸚鵡のように交わす挨拶
悲しみが木苺色に染まるとき もう夕焼けは始まっている 
木苺が風に揺られていたという 夏の陣馬に吹く青い風
たらの芽は用心深い 山菜の王と呼ばれるたらの芽なれば
夏なれば守宮もガラス這うらしき感情という棲家に入りて

漂流は始まっている 一艘の小舟も隠す海の朝霧
陽のあたる石の隙間に見えていた 蜥蜴の尻尾が生えてくる
たらの芽は頂芽の他に脇芽、胴芽あり 予備の芽多く持った山菜
一切は流れ流れて空の果て 彩雲生れて老残を見ず
かぶくこと好きだったのか江戸末期、水色袴の日記の断片

確実に何かが終わったと感じている歌人の多さが塚本さんの死
靖国にこだわっている(小泉さんの)日本の 孤立してゆく思想の行方
六月の朝、割かれた魂が再び出逢う天国の門
大切なものも次々消えてゆきもうおしまいかな十薬匂う
死の螺旋めぐりめぐりて夏の朝 再び生れむ湖の巻貝
退屈で死にそうなのと青虫を産みつけに来た揚羽がひらり

サボテンは水がなくても生きるのか駱駝は水を湛えているか
変わったこと何もなくても死にそうな気分が残る烏も鳴くし
戦争の責任ならば全員に なかんずく天皇の名で始められ
行き暮れて心乞食はさすらってこの世の水を甘露と飲んだ
アドルフと言えば私にはコンスタンのアドルフ。 ヒトラーじゃなく

赤裸々に生な自分を描けと言う 『アドルフの画集』の画商の言葉
「傾いた道しるべ」という歌があり その歌が好きな私がいた
あの街を襲う雨粒、窓叩く ただ真っ白な驟雨 水無月
もう一度海への手紙書いてみる 梅花空木がまた咲きました
重なってゆくとき理由は消えてゆきただ憂愁の兆す夏の日

藤の木に白い藤咲き藤散れば夏が始まる水無月の川
野火止に残った鴨も旅立って ただエゴの木の白い花散る
流されて流れて育つ水鳥の姿見かけず夏とはなりぬ
ST波下がる理由はともかくも暑い季節に散歩は無理です
さざめきが聴こえるでしょうどこからか平原綾香の声に向かって

シルエットから始まって絢爛の豪奢にいたる次第、夜の部
染五郎、松緑、海老蔵、菊之助、獅堂、勘太郎 七之助も加わって公演終る
華やかなその色彩は一転しモノクロームの雪降る世界
野田秀樹の頭の中の広さそのまま舞台の広さ
歌舞伎座の舞台が二倍にもなって見えていたのは野田秀樹の才能
野次馬の残酷さには変わりなく 取り巻き、囃し、殺しを好む
魚屋も飛脚も手代も虚無僧も 遊女も瓦版売りも通って行った
舞台には時空をこえる橋が架かり 江戸のすべてが通って行った
生きていてよかった助かった そう思った時、討たれて死んだ
仇と言い敵と呼ばれ逃げ惑う俄侍、辰次の最期

大勢の町人どもが囃し立て追いつめられて辰次は死んだ
「研辰の討たれ」討たれ紅葉のように血は散って命大事の辰次は死んだ
黄金色の鶏がいて薔薇咲いて絵本の 中の噴水の青
勾玉も鯨の骨も埋めている海辺の村の火祭りの夜
雨期の森 蝶、蝉、飛蝗 ヤマセミの運ぶ餌にも流れる時間

花を食べ木の実を食べて育つから綺麗な声で鳴くのだろうか
彼岸への旅に似ている巡礼は 夕暮れ時に飛ぶしろばんば
神さまと仰いでいたのか白い山 霧の向こうに滝の向こうに
特になし何にもなしという理由 理由に非ずと退けられる
恐竜も鯨も虹を見たかしら 嵐が置いてゆくという虹

仲間を持ち家族をもって恐竜は群れて集って滅びて行った
板状の骨は飾りじゃないという防御、調温機能もないと
新説は仲間を見分けるためというステゴザウルス背中の秘密
コククジラ背筋から痩せ肉落ちて東京湾に溺れ死ぬという
ボルボラ島 エアーメールの写真にはその「絶海の孤島」が浮かぶ

一日中南の風が吹いていた 虹は嵐の後に立つもの
必要もないのに撮っているような レントゲンには映らない翳
透明の意味を思っておりましたレントゲンには透ける心臓
かなしみの極まりゆけば他愛ない指人形や影絵の劇が
雹が降る嵐のような雷雨あり ゴッホ展を待つ長い行列にも

えごの花うつむいて咲き仰向いて落ちる 着地するとき翻る花
ゆっくりと築いてさっと突き崩す 終わりはいつも突然の雨
本を捨てる多分三百冊くらい 資源ゴミの日まで二週間
二年余り花を見花の枯れるを見 淡い時間が流れて消えて
完全に削除するのは簡単なさるさる日記web日記

旧街道脇本陣の菖蒲園、紫陽花寺につづく石畳
この後の驟雨の季節蘇る旧い街道沿いの庭園
「具体的に進まなければ前へ前へ」そうね行きなさい
倦怠は秘かに兆す夏の日の陽炎ゆれる道に水辺に
後ずさりしている蝦蟇の背後にはヤマカガシ棲む雑木の林
音楽
清浄な骸は光る 透明な雨の雫のような音楽
コククジラ、虹を作るという鯨 東京湾は今日花曇り
コククジラ東京湾に現れて 灰色鯨は藤壺を乗せ
話せない死者の代りに語るべき車両も次々片付けられる
運転士死亡のために甦る 古い諺、死人に口無し

事故車両、関連現場の保存なく 撤去、解体、切断される
整備不良、欠陥車両のこともあり ブレーキ痕のない理由など
違うんじゃないのと思ういつもながら その意味を取り違えること再三再四
山中というわけでなく住宅街 二十分は長くはないか
救急車、消防車の到着は遅いからいつでも現場住民が頼り

墜落し炎上しやがて爆発し警視、警部、警部補焼き尽くす
警察のヘリが墜落してからの救急、消防、警察が来るまでの遅さも
点は点、線は線でしかないことに 集合体に脳がないこと
あるとしても全く機能していないことに更に驚く
危機管理情報室らしきもののない交通機関があるということ

報道が報道としての役割を果たすためには何が必要だろう
うんざりだなんていったらもしかして非国民とか言われるのかしら
いつのまにか沈む夕日の中にあり石見の人、森林太郎とのみ刻む
白夜でもないのだろうに黄昏も過ぎただろうに妙に明るい
まっすぐに稲田を渡り海に出て風はひとりであることを知る

そのように時間は過ぎて機能麻痺、運動麻痺が近づいて来る
構造と捉えてみれば明らかに 平井弘の仕事の意味も
震災のあった工場の多い町 尼崎という町で起きたこと
音楽も色彩もまた上昇する風は砂漠の形を変える
初夏の川、橋の袂のせせらぎの音聞く音の中の魚

密集と過密の悲劇 空間、時間、生命奪う
私たち日本人の生き方が背景としていつでもあって
秒単位で生きる日本人だから無言の重圧かけているから
設計のミスもあるかもしれないねレールと車体、カーブの曲線
羽根ペンのマークの記事を書いている 半月が覗く硝子窓の中

算盤の珠を弾いて計り売り そういう時間が昔はあった
魔の時間ふっと来る人だったのか 瞬間的な記憶喪失
通常ブレーキの効きが悪かったから非常ブレーキを引く羽目になったということはないのか
きっかけは何であっても暴走し加速し制御不能\となっていたもの
むごたらしいまでに晴れている朝 大型連休初日の金曜日
逸脱の果て
106人目の遺体を収容し襤褸襤褸になった車体を引き出す
マンションの外へ引っ張り出されてきた運転士のいた先頭車両
オーバーラン、1分半の遅れ、猛スピード、急ブレーキ、転覆、激突というこの間何分間の出来事
「ありえない」ことがありえて浮き上がり転覆脱線した事故車両
運転士自身の責任はもとよりではあるが一人のせいにして終れない

事故原因究明よりも責任を逃れたいという隠蔽的体質に見え
「プレッシャーのない教育はない」というJR西日本会長の言
責任は到底逃れられるはずのないJRが「聞いていません」と言う
脱線時自ら巻き上げ巻き込んだ砂礫痕ゆえ軽微な痕跡
出来るなら置き石であれと願うようなJR発表「粉砕痕」

JR西日本の会見は沈黙するに等しい会見
岩井俊二『花とアリス』の一場面 沙羅の花弁が開いたような
春四月、地獄の季節 すごいねと風が囁く春の跳躍
川底の石に似ている何かがいて動き出します 山椒魚です
春雷が通り雨にも伴って 執拗にまだ糸を張る蜘蛛

どの鶴がリーダーだろう海を見て河を見て越えてゆく
燦々と降る月光の川があり 筏となって流れるさくら
いつしかに逸脱すれば逸脱の果てに青空流れゆく雲
温度差はただ我儘と解されて伝わざりしか皇太子の思い
レプリカの剣、神器となるもよし更なる軽さ求めてやまず

天皇の選択としての「国体護持」 雨師でありしか稲穂の国の
遅らせたその数日のために死んだ広島の人長崎の人
八咫鏡、草薙の剣、八尺瓊勾玉  「国体護持」と原爆投下
宮中に三殿ありて祭祀する 壇ノ浦には草薙の剣
遥かなる雲の上にも人はいて砂噛むような日常もあれ

病気ではなくて気質であるならば気質を矯正させることもまた罪
その事については自由で民法の適用事例の一つに過ぎず
病気なら治せるはずだし環境を変えて出直すことも出来るし
大正天皇の場合は何という病気であったか心身を病む
雅子さんの統合失調症という病気については情報がない

存亡の危機にある時発揮される蓄積された情報の力
足利家15代、徳川家15代 天皇家125代 際立って高いノーハウを持つ
岐阜蝶のその営みは静かにして葉裏に卵産みて休めり
巣作りを始めてコゲラ  女帝には禁忌も少し多くなるという
稲を植え、蚕を飼って祀りして 長く続きし尊卑の文脈