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短歌工房
4. いつか来るはずの約束
カイツブリ葦の湖岸のカイツブリ潜って浮いて波紋に乗って
カーネーション炎に灼かれるような恋 六月の雨水面を走る
お盆にはお墓参りに帰ります山の家の方に直接行きます
お別れにもう一度だけゆっくりと螺旋階段上る日時計  
お風呂屋の煙突の吐く煙とか ひとりぼっちの風鈴だとか
お馴染みの友情が出てまいりましたね ご機嫌ようマリーゴールド
お天狗が攫って行った殿様の若君のほか入らぬ湯宿
お茶壺は夏を氷室の城山で 夏が終れば江戸城内へ  
お団子は香林堂本店の看板 みたらし、餡子、お月見団子
お祖父さんの丹精の薔薇 その薔薇を抱いた娘の大切な一日
お城には何でもあった図書室も貝も名馬のたてがみ耀く琴も
お城には何でもあった我儘な王子を愚かにするものならば
お城から微かに聞こえる洩れてくる小さな灯りと悪魔のトリル
お終いにしようね夏が来ているよ蜜蜂の受粉も終った
お釈迦様 象の花子が行きますよ もうすぐ貴方の菩提樹の下  
お魚が雨傘さして歩いてる「エッフェル塔とロバ」の風景
お客様、ミセス・ポットやナプキンやみんなの心尽くしの馳走をどうぞ
お気遣いは無用 微かな苛立ちといつも同じ軽い憂鬱
オレンジの飛行機雲と星と月 午前六時の東京の空
オレンジに染まった街の交差点 あるとき風がおまえをさらう
オリーブもマングローブも関係ないマンデンブローならちょっとある 
オヤジ狩り、浮浪者狩りと狩り尽くしラストシュートは自分のヘッド
おもいびと鬼に喰われて消えにけり見えぬ心の鬼なりと聞く
おまじない?鶏が食べるの貝殻を大きな貝の虹色の光り
オベロンさま~もういい加減になさいませ王の威厳にも関ります
オペラ座の梁で首吊る道化師は存在しないシネマ・パラダイス 
おはようとまたご挨拶、でもおはよう 日曜日の朝のいつもの時間
オナモミっていったいどんな花なのと、「怠け」だなんて他人事じゃない
おとなしく発狂するしかない真昼 ただ待つだけの時間の果てに
おとなしい羊のように群れてゆく 牧羊犬のようなパネラー  
おとといの雪が微かに残っている おとといの雪はふたりで見ました
オデットよ私はジークフリートではない唯のオベロン森の支配者
おそらくは歴史への無知が私たちをやがて滅ぼすいつかのように
おそらくは鹿も帰って来ないから雌鹿、牡鹿の白蝋の谷
おそらくは君を明かるくするものの一つに闇の存在
おそらくはそこにはいないあの人に 二度と逢えない胡弓の楽に
エロティック生まれつきだと花蘇芳 狂う牛とか狂う月とか
エルミタージュ サントペテルブルグの灯がともる「この世に完全な幸福はない」
エルドラド幻の郷エルドラド金の釣針のむ魚たち
エリナーリグビー、ペニーレイン、ガール また氷雨降る冬の甲虫 
エメラルド・グリーンの果肉切り分けて春の空虚も切り分けてゆく
エマニエル・シカネーダーも言っていた「ザッツ・エンターテイメント」で
エピローグ、宇野重吉のナレーション死者に感動させられている
エノラ・ゲイはこんな飛行機 ぬばたまのヒロシマの雨降りしきる
エスパニョーラ島のイグアナ その身体赤くしている別れの予感
えごの木やサモワールかもしれないね 私にとっての古時計って
エゴの木は天と地に咲く清々と白々と咲く天上の花
エゴの木は天と地に咲く清々と二度咲く花も今は枯れている
エゴ、エデン、エキス、エーテル、永遠の、絵本、絵葉書、絵空事の「え」
ウロンスキー、麗しの国、梅もどき ウの字があって嬉しいじゃない
うれしげに青磁の海に溺れゆく魚とも見える雨とも見える
うらなりの胡瓜か南瓜の方がましウッツ男爵蒐集のレオポルド
うばたまの刻すごす身の朝霧に草露にぬれ帰る武蔵野
うなだれて主人の下知を待つように控えるように咲く弁慶草
うたあそびうたにあそんでくらしたらかなしきこともみえずなるかも
ウサマ・ビンラディンの煙る眼のゆくえ病身らしき断崖絶壁
ウィッシュボーン・アッシュ「光なき世界」僕たち時を越えて逢ってる
ヴィオロンもコントラバスも歌います 緋色の椅子にあの人がいます
イングランドが途中敗退スルユエニ「決勝戦のべッカム」はナカッタ。。
イラクへはもう戻れないとアナン氏が 紅砂の海に埋まる部隊
イラクでは毎日人が死んでいて殺害報告にも慣れる長官
いままでの沼地に生まれた瑠璃色の鳥が探している死に場所はどこ  
いのちは陽炎なんて誰が言ったのだろう 雲雀は雲を突き抜けただけ
イノシシがトマト畑を荒らすから金網めぐらせ囲って来たと
いにしえも今も変わらぬ民衆の快楽の餌食 断頭台(ギロチン)の王 
いにしえの道を辿れば海も見え高凪という凪の瀬戸内
いにしえの青磁の海に泳ぐ魚 神無月という陽のやわらかさ
いつ雨は濡らして降るの累代の永久の眠りに死者の眠りに  
いつよりか鵺(ぬえ)にすら似る類人猿 時には夢を死ぬほど抱(いだ)け 
いつもは平手で今回は拳で殴る台風22号 
いつまでも濡れていたのは瑠璃色の鳥の飛翔を信じていたから
いつまでも泥濘(ぬかるみ)の中 流刑地の永遠(とことわ)の夢 死せるマンモス
いつまでも脱いされない累々と時は無惨に屍骸を重ね  
いつまでも若く美しくあらねばならぬと『火の鳥』の婆
いつまでも温もりありて留守の間も年越し冬のシクラメン咲け 
いつまでも愛しているし待っている海の果てには夕陽が沈む
いつまでの世界だろうか子供たち運がよければ時間はあるが
いつの日も温もりありて累代の墓の隣りの紫苑の花群
いつの日かまた逢う風の又三郎 さよならだけが人生じゃない
いつの日かあなたのために歌う歌〈さよならだけが人生ならば〉
いつのまにか盗人萩は留守中に盗難予防のシステム解除
いつのまにか中継は終っていた醒めない夢の中にまだいる
いつだめになるかもしれない灰色の鳥は微かに血を滲ませて
いつだって二重に歌う歌の意味虹の内側からの発信
いつだって薙ぎ倒されて焼け爛れ気化する№25387649  
いつだって置き去りになる石ならばいっそ知らせよ石塊(いしくれ)の重さ
いつだって此処にある愛 ミミズクが風のささやき聴く夜の森
いつだって言葉にならない言葉だけ ためらうように月が出ている
いつだって喧嘩のできない一人っ子 兄弟喧嘩も知らず育って
いつだって気むずかし屋のアルルカン明日は天気になるのだろうか
いつだってリアルタイムで書いていて私の鳥は記憶喪失
いつだってぬれる眼差しルシファーの遠き闇から死者呼ぶワルツ
いつだってぬれるナイフはルキーニにトート閣下の死神の犠牲者
いつだってどこだっていい何でもいい生きていようね美しい秋
いつだってセットで登場する場合 紙の力士の相撲の場合
いつだってあの人の後を歩いている二十年後を歩く坂道
いっそもう私が闇であることを再び闇から戻らぬことを
いっそもう蛙にでもなっておしまい いっそもうこの世の果てへ行っておしまい
いっそもうよしてしまえと声がする卑怯者という声もする
いつか来るはずの約束、いつか来るはずのその人ゴドーを待ちながら
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