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短歌工房
醒めない夢を
桃畑少なくなって一葉の道の桃源境もいつまで
お隣の木小屋に薪はうずたかく積まれて越冬準備は万全?
遠く遠く視界は広く富士山に南アルプス連山に雪
二本木の道を登れば上萩原、大久保平、白樺の道
養蚕の町でもあった甲州市、甘草屋敷のある旧塩山市
和紙の里、市川大門 桑の葉の饅頭を作り饂飩を作り

生きてゆくことの重さに似ています 積雪四メートルを記す新聞
春の夜の夢の浮橋とだえたり 途絶えしのちも逆しまに顕ち
新しい悲劇は生まれ前代のそれより速く巻き込んでゆく
もう既にその足音は聞こえていて時代は確実に変化していて
団塊の世代が去って夜が明けて2007年日本は変わる

抒情して春の雪さえ消えるゆえ命ながらうべきにもあらず
許されて楽しく軽やかだった日の昔日となる須臾の間にして
こののちに生きてあること衰えて貧しく老いて 雪の重みに
最低限、生きていかなければならない 欠片、切片、木っ端に砕け
青空の向こうの向こうまで一人 一番好きな時間の形

自衛隊、軍隊、郷土防衛隊 どんな名前にしても兵隊
空母があり零戦があり嬉々として見入る男の掌のプラモデル
雪鬼の降らせる雪の身の丈を越えたころから春までの燦
加賀山中、白山山中、能登金剛 寒気団来て白い氷壁
雪かきを手伝う人もいないから帰ってくれば?イラク派遣隊

俯瞰なく世界がなくて日本と大和のミクロコスモスがある
前線は確かにそのようであり 前線に至るまでの狂気を除けば
仲代さんまでがどうして出るのです戦争を知らない世代でもないのに
結局のところ「大和」が誇らしく「大和」を愛しむ人たちがいて
背後の人、命令下す人のこと 何処にもなくて『戦艦大和』

渡さんの声で流れるナレーション やめてくださいなこういうの
ある時は核攻撃もやむなしと ある時そこに風が生まれて
死者と死者、他者と他者とを交換する 殺しているのは敵だけという
たとえそれがどんな人たちなのであれ置き換えられる立場にはなく
命令を下されるため私たちは生まれて来ているわけではなくて

守れずに死んでゆくもの戦争は 殺し合うこと殺されること
再びの水漬く屍や再びの死屍累々の戦艦大和
末端はそうして働かされて死に 血で染められた《日の丸》残る
戦禍なを心にいたるこの国が 未だ醒めない夢を見ている
そのように男は召され女たちはそして子どもは殺されていった
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