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短歌工房
真珠
要するに上と下とは分けられてその一方の低層にいる
下流とは下層と違うと言うけれど言っている意味はほぼ同じ意味
しかしそれは自分らしいと言えるのか自分らしいとは何だったのか
自分らしく生きてやがては蔑まれ落ちてゆくのは意欲なきゆえと
かにかくに敗者復活なきものと『下流社会』は教えていたり

集落が集落をなす限界を自然が奪う冬が来ている
地震が襲い、水害が襲い雪が襲い 雪崩が襲う村の棚田か
青年を待つ両親は心臓を病んで仮設の住宅にいた
道を作りブルドーザーを動かして一人こつこつ作っていた池
願わくは積もる雪にも潰れずに春待つ池と親鯉であれ

暖かい町の養殖池などにもう引越しているかな鯉は
青年が精魂こめて作っていたあの池は今どうなったのだろう
気になるものの一つに 山古志の鯉を養殖していた棚田  
木蓮の固い蕾が膨らんで紫色の光りを放つ
川岸の氷が溶けてさらさらと水が流れてクロッカス咲く

黄の色の蝶が来ていて陽だまりに小さな花が咲く雨あがり
錦郡槐の根方に埋める符 乾、巽は鬼門にて候
透明なネットに包む夜の闇 インターネットの水の痕跡
忘却は一部のことと思いたり その蕁麻に火を放たれて
ミネルバの梟鳴いて夜が来て 魑魅魍魎の支配する夜

透明な水晶、砂金に似た光り 野生のけもの湯治する川
上尾根に日本トナカイ見たという ただ一頭で見下ろしていたと
木小屋にも畦にも雪は降り積もり 露天の水桶、筧も凍る
街にいて山奥に降る雪のこと思ってみても仕方がないが
人は何故どうして生きる孤立する集落がある新雪が降る

間違いがまたもう一つ増えただけ 淵がだんだん深くなるだけ
みごもった真珠の虹を見つけたら貝は自身を溶かしたものと
暗い暗い暗い人生の虹がどこかに立つと暗渠の蜆
三十数か所とも言われ切り刻まれて蘭奢待香る
香木の蘭奢待さえ切り取られ権力の座にあるものの傍へと

人生の苦難を負って生まれてきたヤドカリに似た貝の文様
そのような思いは一度もなくて死ぬ 黄昏の中沈む日輪
そののちを一人生きれば用水に流れた芥かもしれぬ生
桜散るドラマの中ではらはらと花びらが散る若き死がある
問題は終わってしまってから生きるその生き方のことではあるが

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