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短歌工房
『日曜日の朝』
モスクワとぺテルブルクを行き来する 孔雀時計は三時で止まる
この世にはとても幸福な人がいて祝福された人たちがいて
いつまでか此処に彼処に飛び散らう魂の幾つか 青蛍となむ
時折は紙片のような蝶が来て 遥かな時を伝えてくれる
骨董の値打ちはひとつ今を生き今を感じる器であること

空木咲く季節にいつかなっていた 花明かりする上水の道
霧雨が上がれば夏の上水か 夏の扉が開く雨の朝
双頭の鷲の国から流れ出て薔薇の刻印背にさまよって
雪の降るぺテルブルクの片隅で1907年と刻印されて
クレムリン宮殿のあの葱坊主 騎馬連隊の青い制服

死の方はできれば御免蒙りたく されど我儘通り申さず
私は多分望んでいるのでしょう 夢の中なる一生午睡
選べば選べるかもしれない 「生涯連休」望まれますか
まだ蕾、蕾ばかりの紫陽花と 蝸牛這う櫟の若葉
六月はまだ紫陽花の片陰に眠り 漠然と不安のみ白く

新しい地平が現れても黄昏はここに 紫に空を染めて
退屈な午後ひとときの軽やかさ小曽根真の<ジュノム>カデンツァ
何か一つ突き抜けてゆくその時に手応えがある硬質の触感
『日曜日の朝』という絵の六匹の猫と出会った秋の日の画廊
踏み潰す相手がだんだんなくなって巨象の大足置き場所に困る

次期総理に安倍氏がなれば明らかに危険が増すと思うしかなく
ちゅんちゅんと雀が鳴いて薔薇咲いて良い雨が降る五月の朝
そのように過ぎてゆく日のありやなし 武蔵野の果ての逃げ水
あれは夢?そう夢だった何もかも全ては夢の出来事だった
福音書の一節に言う忘れがたく <怒りのために罪を犯すな>

重なって重なってゆく音韻のさやかに平安京の名残りの
琴弾浜その白砂の白よりも白き馬立つ八朔の馬
海辺には海辺の町の風習が 端午の節句と馬の節句と
馬節句、白馬の節句 八朔の団子の飾り馬の懐かし
帯止めになった私のお祖母さん 箪笥の一番右の抽斗

白珊瑚 珊瑚の海の薔薇の精 小さなピアスになってしまった
海蛍、いいえ私は蛍烏賊 青く光って漂う生体
ウニ、ヒトデ棘皮動物荒金の針千本に似ぬ柔らかさ
烏が鳴きまた現実が戻ってくる カクレクマノミ隠れ家は無し
足跡のほかには何も残さない その足跡も波が消し去る
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